60歳からの終活

                             2024.01.31 作成

60歳からの終活 ~はじめの一歩~ 

親の用事をしに出掛けたり、介護をしたり、そんな時にふと、「自分に何かあったときはどうなるのだろう」と思ったことはありませんか? 誰しもが多かれ少なかれ、あるのではないでしょうか。

でも60代に入ったばかりであれば、まだまだ元気ですし、それよりも親の状態や、実家が気になるもの。そちらの方が目前の問題ですね。

自分の場合は……、と考えても日常に埋没してしまいがちです。

私が今まさにその状態です。でした。

そこで今回は「終活」について、私の体験(はじめの一歩)をお伝えします。(articleという名の覚書)

結論としては、あちこちでやっている「終活・無料相談会」に参加することです。

では順に書いていきましょう。

   

私は昨年(2023年)めでたく60歳になりました。

夫と二人暮らしです。子どもはありません。

しかも、二人とも兄弟姉妹もありません。

ということは、どちらかがどちらかを送った後は、自分の始末を自分でつけなければなりません。

最近はお子さんがいても、「面倒をかけたくないから」自分の始末は自分で、と準備をされる方も多いと聞きます。

私も、近所や社会に極力、迷惑をかけたくないと思っています。

  

数年前から考えていたことは、「もし私が残されたら、その時点で、私が死んだ後始末を頼める会社を探して、申し込もう」ということでした。

それに加えて、「エンディングノート」への記入を始めました。

全て書いたわけではありません。ある程度書いたところで放っていました。

備忘録としては良いのですが、「ほんで? これが終活?」と思って止まっていたのです。

この段階が、「はじめの一歩」の前の「はじめの0歩」「(終活の)階段の下」ですね。

    

上記の段階で、ずっと止まっていましたが、最近になって考え直したことがあります。

「エンディングノート」はともかく、残されてしまってから「後始末を頼める会社を探して」なんて、できるのか、ということです。

もしかすると、もう判断能力や記憶力が乏しくなっているかもしれません。

母親たちを見ていると、「私たちもいずれは、ああなる」と夫と話しています。

どちらが残されるかわかりませんが、残された時、しっかりとした判断能力と体力があるとは思えなくなってきました。今でさえ怪しいですからね。

では、60代の「終活」は、何から始めればよいのか

結論は、

「終活」「相続」「死後事務」についての「無料相談会」に参加することです。

一つだけではなく、いくつか参加するのをお勧めします。

私が先日お話を伺ったのは、行政書士の方(以下、先生)でした。

上に、「死後事務」と書きましたが、この言葉は件の相談会で初めて知った言葉でした。

「死後事務」とは、死後に行わなければならない整理や事務のことです。

言葉の意味としては一目瞭然ですが、具体的にはどういうことなのかは、ぼんやりとしたイメージでしかありませんでした。

例えば、相続する人がいない場合、財産など基本的には国庫に入りますが、それも手続きをする人が必要になるのだそうです。私はなんとなく、自動的に国庫にいくものだと思っていましたが、「自動的に国庫にいくわけではないんですよ」と教えていただきました。

これだけでも参加した甲斐があるというものです。

それに加えて、「気づき」があったのは、「地域包括支援センターに相談に行くのもあり」ということでした。

先生に「地域包括支援センターに相談されるのもいいですね。地域のことをよく分かってらっしゃいますし、後見人についても紹介してもらえるかもしれませんから」と言われ、

そっか!

と気づいたのです。

両母がお世話になりましたので、どういったところなのかは知っているつもりでおりました。介護認定が必要かもしれない、と思った時に相談するところというイメージでした。

ですが調べてみると、「介護保険について知りたい」ということでも、無料相談に対応してもらえるようです。(詳しくは各地域包括支援センターにお問い合わせ下さいね)

こんな風に、気づきがあります。

みなさん其々に、事情は違うはずです。

「相続」が気がかりなのか、

「生活支援」が気がかりなのか、

「死後事務」が気がかりなのか……。

まずは最初の一歩、相談に行ってみて下さいね。

行政書士、税理士、などなど、普段でも相談に乗っては下さいますが、ほとんどは有料です。それでも良いですが、いくつか行くとなると……、無料の機会を探すのが良いかと思います。

私が見つけたのは、新聞の折込広告でした。今は新聞を取ってらっしゃるところは少ないかもしれませんね。

そうであれば、自治体に聞いてみるのも一つです。

公的機関に行った時は特に、アンテナを張ってみて下さい。何かチラシがあるかもしれません。

今すぐにバタバタしなくても、「アンテナを張っておく」だけでも「はじめの一歩」です。

    

先生に「いろいろな所に相談しに行くのがいい」と言われた他に、「現在から将来における、本人保護のための契約や制度」を教えて頂きました。

   

~~ 現在(健康などへの不安)のついて ~~

【見守り契約】

  • 定期的な訪問や連絡
  • 身元引受人についてや、将来への相談
  • 様々な手続きの代理

【財産管理などの委任契約】

  • 預貯金の管理、税金の支払い
  • 入院や生活に関する手配
  • 家の管理、付帯事務の代理
  • 身元引受人の引き受け

~~ 将来(判断能力への不安、備え)について ~~

【任意後見契約】

  • ★自身で後見人を決定する
  • ★内容は当事者間で協議
  • 財産管理、日常生活の手続き
  • 入院、入所時の手続き
  • 身元引受人の引き受け

~~ 将来(判断能力の低下)について ~~

【法定後見制度】

  • ★後見人は裁判所が決定
  • 判断能力が低下してから申立
  • 包括的な財産管理、身上監護

~~ 死亡について ~~

【死後事務委任契約】

  • 葬儀、納骨、供養等
  • 病院、施設費用の清算
  • 行政機関への届出
  • 住居内の家財道具等の整理

【遺言(自筆/公正証書)】

  • 財産の引継ぎ方法の指定
  • 遺言執行者の指定
  • 祭祀継承者の指定

   

以上のような手続き、契約があるそうです。

他には、「事前指示書」というのがあります。延命治療などに関わる医療ケアについて、「その時」に意思表示ができなくなっていた時のために記入しておくシートです。

これには法的拘束力はありません。何度でも書き換えて良いのです。

   

項目が多くて「ひやぁ~」と思いましたが、具体的に考えられます。

この中で、何について考えるのかを、考えるのです。

私たちの場合、まず「任意後見契約」について、夫の従兄の子どもに打診中です。

やはり年代が下の方がよい、ということと、関係性ですね。

でも、無理に引き受けてもらうのは気が引けます。遠慮して断れないなどということのないように、従兄(本人の親)からそれとなく聞いてもらっているのですが……。

断られたら、断られた時のことです。頼まれる方は「面倒事」ですものね。その時にまた考えます。

ともあれ、これが先日「終活・無料相談会」に参加して知ったこと、考えたことです。

「相談会」、まだ他にも行くつもりをしています。

無理のない状態で、でも一歩ずつ進んでいこうと思っています。

「『終活』についてそろそろ準備していきたいが、何から手を付ければ良いかわからない」

そうお考えでしたら、「無料相談会」に参加されることをお勧めします。

「終活」は、より良く生きることにつながる。と、考えております。

60代、安心して、これからの生活を楽しみましょう!

  

                             2024.01.31 記